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契約書に「支払いは納品後90日」と書いてあった。署名したあとでも60日ルールは使える?(第4条)

公開日: 2026-10-20

本記事は一般的な情報提供を目的とした解説であり、法的助言ではありません。個別の契約の扱いは、公正取引委員会・厚生労働省の相談窓口や弁護士等の専門家にご確認ください。広告を含みます(記事の後半に広告リンクがあります)。

契約書を読み返したら、報酬の支払いが「納品月の翌々々月末」「納品後90日」と書かれていた。もう署名・押印は済んでいる。――こういうとき、「合意したのだから仕方ない」と諦める前に、第4条が何を定めているかを確認しておきましょう。この記事では、条文の読み方と、日数の数え方、取引先への確認メール文例をまとめます。

1. 条文は何と言っているか

第4条は、報酬の支払期日について、給付を受領した日(役務の提供なら提供を受けた日)から起算して60日の期間内で、できる限り短い期間内に定めなければならないとしています[1]。そのうえで、支払期日を定めなかったときは受領した日が、60日を超えて定めたときは受領した日から60日を経過する日が支払期日とみなされる、という規定が置かれています[1]。

契約書の書き方条文上の扱い(要約)
受領日から60日以内で定めている期間内。ただし「できる限り短い期間内」で定める必要があります[1]
受領日から60日を超えて定めている(例:90日後)受領日から60日を経過する日が支払期日とみなされます[1]
支払期日を定めていない給付を受領した日が支払期日とみなされます[1]

ここで押さえたいのは、「契約書に書いてあるから、その期日が有効」とは限らないことです。条文は、60日を超える定めをそのまま認めるのではなく、受領日から60日を経過する日を支払期日として扱うと言っています。なお、この規定が当てはまるのは、第2条の定義に当たる取引(自分が特定受託事業者で、相手が事業のために業務委託をしている)の場合です[1]。

2. 日数の数え方:具体例

「受領した日」は、納品物を受け取った日、役務なら提供を受けた日です。契約書の「締め日」ではなく、実際に給付を受領した日から数えます。

受領日契約書の定め60日を経過する日(目安)
2026年10月10日納品後90日(2027年1月8日)2026年12月9日(日数は暦日で数えた目安)
2026年10月31日翌々月末払い(2026年12月末)約60日後は12月30日ごろ。月末払いでも、受領日によって60日を超える場合があります

表の日付は、起算日の扱いによって1日ずれることがあります。正確な日付は、支払いサイト60日ルール判定ツールや支払期日・遅延チェッカーで自分の取引に当てはめて確認してください(条文の要約であり、個別の判断ではありません)。

3. 署名したあとでもできること

  1. まず事実を整理する:契約書の該当条項、受領日(納品日・提供を受けた日)、請求書の日付を並べます(日付の記録のしかた)。
  2. 自分が第2条の対象か確認する:対象チェッカーで確かめられます[1]。
  3. 取引先に文字で確認する:議論を避け、「支払期日の扱い」を尋ねる形にします(次節)。
  4. 解決しないときは相談窓口を確認する:公正取引委員会・厚生労働省の案内ページに相談先が載っています[2]。違反の事実があるときは、厚生労働大臣への申出もできます[1](申出の流れ)。

4. 確認メール文例(コピーして使えます)

お世話になっております。○○です。 先日お預かりした業務委託契約書の「報酬の支払い」の条項について、確認させてください。 ・契約書には「納品後○○日以内に支払う」と記載されています ・今回の納品(受領)日は ____年__月__日です 特定受託事業者に係る取引の適正化等に関する法律(フリーランス法)の第4条では、報酬の支払期日は、給付を受領した日から60日以内で定める必要があると理解しております。 つきましては、今回のお支払い予定日を、受領日から60日以内でご教示いただけますでしょうか。お手数ですが、メール等でご回答をお願いいたします。

「違法だ」と断じる書き方にしないのがコツです。条文を理解として示したうえで、支払予定日を文字で答えてもらうことが目的です。回答があった日、なかった事実も記録しておきます。

5. 契約前なら:サインする前の確認ポイント

これから契約する案件なら、支払期日の欄で「受領日から何日後か」「検収を待つ場合でも、受領日が起算点か」を確認しておくと安心です(契約前の確認8項目、支払期日は受領した日から60日)。

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6. 入金が遅いときの資金繰りの一案

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まとめ

契約書に60日を超える支払期日が書かれていても、第4条は「受領した日から60日を経過する日」を支払期日とみなす、と定めています[1]。まず受領日と契約書の条項を並べ、自分が対象かを確かめ、取引先には責めない形で支払予定日を文字で確認する。それが現実的な最初の一手です。

出典(一次資料)

  1. 特定受託事業者に係る取引の適正化等に関する法律(令和5年法律第25号)第2条(定義)・第4条(報酬の支払期日等)・第17条(申出等) — e-Gov 法令検索
  2. 公正取引委員会「特定受託事業者に係る取引の適正化等に関する法律(令和五年法律第二十五号)」 — 公正取引委員会/厚生労働省「フリーランスとして業務を行う方・フリーランスの方に業務を委託する事業者の方等へ」 — 厚生労働省

本文の説明は上記の条文・案内を分かりやすく言い換えたものです。制度は改正されることがあるため、最終的な判断は原文をご確認ください(参照日: 2026-09-25)。