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報酬の単価を一方的に低く決められた?フリーランス新法の「買いたたき」(第5条)を記録と交渉履歴で確かめる

公開日: 2026-10-14

本記事は一般的な情報提供を目的とした解説であり、法的助言ではありません。個別の取引が条文に当たるかどうかは、公正取引委員会・厚生労働省の相談窓口や弁護士等の専門家にご確認ください。広告を含みます(記事の後半に広告リンクがあります)。

発注前に提示された単価が、これまでの取引や似た仕事と比べて明らかに低い。「この金額が嫌なら他に頼む」と言われて、そのまま受けてしまった――。こうしたとき大切なのは、金額が決まるまでの経緯を、日付つきで残しておくことです。この記事では、フリーランス新法第5条の「買いたたき」の位置づけと、単価交渉の記録表をまとめます。

1. 条文は何と言っているか

第5条第1項は、発注者(特定業務委託事業者)が、1か月以上の業務委託をしたフリーランス(特定受託事業者)に対して、してはならない行為を並べています。その4番目が買いたたきで、原文では「…著しく低い報酬の額を不当に定めること」と書かれています[1]。

確認すること条文上の根拠言い換え
対象になる期間第5条第1項、施行令第1条禁止行為の対象は、1か月以上行う業務委託[1][2]
問題になる行為第5条第1項第4号報酬の額を「著しく低く」「不当に」定めること
「著しく低い」「不当」の考え方公正取引委員会・厚生労働省の案内線引きは個別の事情で変わるため、公的機関のページで最新の考え方を確認する[3]

「著しく低い」かどうかは、金額だけで機械的に決まるものではありません。本記事は条文の位置づけを整理するもので、「この単価は違法」と断定するものではありません。

2. 「報酬の減額」との違い

同じ第5条第1項でも、第2号の報酬の減額は、すでに決まった報酬を後から減らす場面を指します。一方、買いたたきは、報酬の額を決める段階が問題になります[1]。入金額が契約額より少ないときは報酬の減額の確かめ方、支払い条件が書面にないときは明示の記事が入口になります。

3. 単価交渉の記録表(コピーして使えます)

【案件名】 取引先名: 業務委託の期間:開始 ____/終了 ____(1か月以上か:はい・いいえ) 依頼内容(作業範囲・納品物・修正回数):____ こちらの希望額/見積額 ____円(提示した日 ____) 取引先の提示額 ____円(提示した日 ____/方法 ____) 取引先が示した理由:____(予算の都合、他社の見積もり など。言われた日 ____) こちらの再提案・交渉の内容と日付:____ 同じ取引先との過去の単価(同種の仕事):____円(時期 ____) 最終的に合意した額 ____円(合意した日 ____/文面の保存先 ____)

ポイントは、提示額とその理由、こちらの再提案、最終合意の日付を別々に書くことです。「他に頼む」と言われた場合も、発言があった日と方法をそのまま記録します。推測や感想は書かず、事実だけを残します。

4. 計算例:時間あたりに直して見る

数字は説明用の仮の例です。公的な基準額ではありません。

項目金額・日数
前回の同種の仕事の報酬100,000円(作業約40時間)→ 1時間あたり2,500円
今回の提示額60,000円(作業見込み約40時間)→ 1時間あたり1,500円
差前回比で40,000円少ない(約40%減)
業務委託の期間2026年10月1日〜11月15日(約1.5か月)

この例では期間が1か月以上なので、第5条の禁止行為の対象になりうる取引です[2]。ただし、前回と作業範囲が違う、納期や修正回数の条件が異なるといった事情があれば、単純比較はできません。だからこそ、前項の記録表に作業範囲と条件も残しておきます。期間が2週間で終わる単発の仕事なら第5条の対象外です(ほかの規律や契約の定めは別に考える必要があります)。

5. 取引先に確認するときの順番

  1. 提示額と、こちらの見積額・過去の単価を、数字だけで淡々と並べる
  2. 金額の根拠(作業量、予算の考え方など)を教えてほしいと尋ねる
  3. 回答はメールなど文面が残る形で受け取る(電話なら、後でメールで内容を確認する)
  4. 納得できない場合や、回答がない場合は、記録表を持って相談窓口へ[3]

違反の事実があるとき、フリーランスは厚生労働大臣に申し出て適当な措置を求めることができ、申出を理由とする不利益な取扱いは禁止されています[1]。手順は申出の流れと記録の残し方、もう少し詳しい整理は報酬の減額と買いたたきの記事で扱っています。全体像は禁止行為チェッカーが使えます。

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6. 単価が下がる月に備える:資金繰りの一案

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まとめ

買いたたきは、第5条第1項が1か月以上の業務委託について挙げる禁止行為の1つで、「著しく低い報酬の額を不当に定めること」を指します[1]。単価に疑問を感じたら、提示額・理由・交渉の経緯・過去の単価を日付つきで記録し、文面で根拠を確認しましょう。

出典(一次資料)

  1. 特定受託事業者に係る取引の適正化等に関する法律(令和5年法律第25号)第3条(取引条件の明示)・第5条(禁止行為)・第17条(申出等) — e-Gov 法令検索
  2. 特定受託事業者に係る取引の適正化等に関する法律施行令(令和6年政令第200号)第1条 — e-Gov 法令検索
  3. 公正取引委員会「特定受託事業者に係る取引の適正化等に関する法律(令和五年法律第二十五号)」 — 公正取引委員会/厚生労働省「フリーランスとして業務を行う方・フリーランスの方に業務を委託する事業者の方等へ」 — 厚生労働省

本文の説明は上記の条文・案内を分かりやすく言い換えたものです。制度は改正されることがあるため、最終的な判断は原文をご確認ください(参照日: 2026-09-25)。