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報酬が約束より少なく振り込まれた?フリーランス新法の「報酬の減額」(第5条)を契約額との差で確かめる

公開日: 2026-10-13

本記事は一般的な情報提供を目的とした解説であり、法的助言ではありません。個別の取引が条文に当たるかどうかは、公正取引委員会・厚生労働省の相談窓口や弁護士等の専門家にご確認ください。広告を含みます(記事の後半に広告リンクがあります)。

見積もりと契約では10万円だったのに、入金されたのは9万円だった。理由の説明はなく、「今回はこの金額で」とだけ言われた――。こうしたとき、まず必要なのは感情的に反論することではなく、契約で決めた額と入金額の差を、日付とともに整理することです。この記事では、フリーランス新法第5条の「報酬の減額」の位置づけと、差額を確かめる記録表をまとめます。

1. 条文は何と言っているか

第5条第1項は、特定業務委託事業者(発注者)が、1か月以上の業務委託をした特定受託事業者に対して、してはならない行為を並べています。その2番目が報酬の減額です。原文では「…報酬の額を減ずること」と書かれています[1]。

確認すること条文上の根拠言い換え
対象になる期間第5条第1項、施行令第1条禁止行為の対象は、1か月以上行う業務委託[1][2]
減額の相手第5条第1項「あらかじめ決めた報酬の額」を後から減らす行為が問題になる
減額が許される場合があるか第5条の原文・公正取引委員会の案内例外や考え方の詳細は、原文と公正取引委員会・厚生労働省のページで確認する[3]

どの場合が違反に当たるかの線引きは、個別の事情で変わります。本記事は条文の位置づけを整理するもので、「この減額は違法」と断定するものではありません。

2. まず「契約額」を確定させる

減額かどうかを考える前提は、最初に決まった報酬の額です。第3条は、発注者が業務委託をしたら直ちに、給付の内容・報酬の額・支払期日などを書面かメール等で明示するよう定めています[1]。次の順で探してください。

明示が口頭だけだった、報酬額が決まっていなかった場合は、金額の根拠そのものが弱くなります。その場合の整理は取引条件が未定のまま始まったときを参考にしてください。

3. 差額記録表(コピーして使えます)

【案件名】 取引先名: 契約額(税込/税抜を明記)____円 根拠となる書類・日付 ____ 業務委託の期間:開始 ____/終了 ____(1か月以上か:はい・いいえ) 請求額 ____円(請求日 ____) 入金額 ____円(入金日 ____) 差額(契約額 − 入金額)____円 差額の内訳(取引先の説明):____(説明を受けた日 ____/方法 ____) 修正指示・検収のやり取り:____(日付と文面の保存先 ____) こちらから確認した日 ____/回答の内容と日付 ____

ポイントは、差額の「理由」を取引先がどう説明したかを、日付つきで別に書くことです。理由の説明が一度もない場合は、それ自体を記録します。説明が後から変わった場合も、変わった日付を残しておきます。

4. 計算例:差額の見方

数字は説明用の仮の例です。

項目金額・日付
契約額(発注メールの記載)100,000円
入金額90,000円
差額10,000円(契約額の10%)
業務委託の期間2026年9月1日〜10月15日(約1.5か月)

この例では期間が1か月以上なので、第5条の禁止行為の対象になりうる取引です[2]。一方、期間が2週間で完結する単発の仕事なら、第5条の対象外になる点に注意が必要です(その場合でも、民法などほかの規律や契約の定めは別に考える必要があります)。差額が出た経緯が「契約後に双方で合意した変更」なのか「一方的な差し引き」なのかで、見え方は大きく変わるため、前項の記録表で経緯を残してください。

5. 取引先に確認するときの順番

  1. 契約額と入金額、差額を、数字だけ淡々と書いて確認する(感情や推測は書かない)
  2. 差額の理由と、その根拠になる取り決めを教えてほしいと尋ねる
  3. 回答はメールなど文面が残る形で受け取る(電話なら、後でメールで内容を確認する)
  4. 回答に納得できない場合や、回答がない場合は、記録表を持って相談窓口へ[3]

違反の事実があるとき、フリーランスは厚生労働大臣に申し出て適当な措置を求めることができ、申出を理由とする不利益な取扱いは禁止されています[1]。手順は申出の流れと記録の残し方で整理しています。支払いそのものが遅れている場合は支払期日・遅延チェッカー、禁止行為の全体像は禁止行為チェッカーが使えます。

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まとめ

報酬の減額は、第5条第1項が1か月以上の業務委託について挙げる禁止行為の1つです[1]。入金額が少ないと感じたら、まず契約額の根拠書類を探し、差額・理由の説明・日付を記録表に残してから、文面で確認しましょう。

出典(一次資料)

  1. 特定受託事業者に係る取引の適正化等に関する法律(令和5年法律第25号)第3条(取引条件の明示)・第5条(禁止行為)・第17条(申出等) — e-Gov 法令検索
  2. 特定受託事業者に係る取引の適正化等に関する法律施行令(令和6年政令第200号)第1条 — e-Gov 法令検索
  3. 公正取引委員会「特定受託事業者に係る取引の適正化等に関する法律(令和五年法律第二十五号)」 — 公正取引委員会/厚生労働省「フリーランスとして業務を行う方・フリーランスの方に業務を委託する事業者の方等へ」 — 厚生労働省

本文の説明は上記の条文・案内を分かりやすく言い換えたものです。制度は改正されることがあるため、最終的な判断は原文をご確認ください(参照日: 2026-09-25)。