フリーランス法(特定受託事業者に係る取引の適正化等に関する法律)には「直ちに」「60日」「30日前」「1か月」「6か月」と数字が散らばっていて、どれがどの場面の話か混ざりがちです。この記事では、数字を条文ごとに一覧にし、自分の契約の長さだとどの条文が使えるかを当てはめられる形に整理します。
1. 原文の確認:数字が出てくる条文
第3条は、業務委託をしたら「直ちに」、給付の内容・報酬の額・支払期日などを書面またはメール等で明示することを求めています[1]。第4条は、報酬の支払期日を、給付を受領した日から起算して60日の期間内で、できる限り短い期間内に定めるよう求めています[1]。第5条の禁止行為は、施行令第1条により1か月以上の業務委託が対象です[2]。第13条の「継続的業務委託」と第16条の解除等の予告は、施行令第3条により6か月以上の業務委託(更新により6か月以上続くものを含む)が対象で、第16条は少なくとも30日前までの予告を求めています[3]。上は要約です。例外や細かな要件があるため、全文は出典でご確認ください。
2. 平易な言い換え:数字の早見表
| 数字 | 条文 | 何についての数字か | 誰が守るか |
|---|---|---|---|
| 直ちに | 第3条 | 取引条件を明示するタイミング(業務委託をしたとき) | 発注者 |
| 60日以内 | 第4条 | 支払期日は、受領日(役務なら提供を受けた日)から数えて60日の期間内で、できる限り短く | 発注者 |
| 30日以内 | 第4条 | 再委託で、元の委託の支払期日等を明示した場合は、その元委託の支払期日から30日以内 | 発注者(再委託) |
| 1か月以上 | 第5条・施行令第1条 | 禁止行為(受領拒否・報酬の減額・返品・買いたたき・購入強制など)の対象になる業務委託の期間 | 発注者 |
| 6か月以上 | 第13条・施行令第3条 | 「継続的業務委託」。育児・介護等との両立への配慮が義務になる | 発注者 |
| 30日前 | 第16条 | 6か月以上の業務委託の解除・不更新の予告(少なくとも30日前まで) | 発注者 |
支払期日の定めがないときは受領日が支払期日とみなされ、60日を超えて定めたときは受領日から60日を経過する日が支払期日とみなされます[1]。理由の開示は、第16条の予告がされた日から契約が満了する日までの間に、フリーランスが請求したときに、発注者が遅滞なく開示する義務があります[3]。
3. 具体例:契約の長さで当てはめる
次の表は、契約期間ごとに、上の数字のうちどれが使えるかを整理したものです(更新を含めた実際の継続期間で見ます)。
| 契約期間 | 第3条(明示) | 第4条(60日) | 第5条(禁止行為) | 第13条・第16条 |
|---|---|---|---|---|
| 1か月未満 | ○ | ○ | 対象外 | 対象外 |
| 1か月以上6か月未満 | ○ | ○ | ○ | 対象外(第13条は努力義務) |
| 6か月以上 | ○ | ○ | ○ | ○(30日前予告・配慮義務) |
たとえば「3か月の契約」なら、報酬の減額などの禁止行為は対象ですが、30日前予告(第16条)の対象にはなりません。一方、3か月契約を更新して合計6か月以上続けば、第13条・第16条の対象になります。表は条文の要約にもとづく目安です。そもそもフリーランス法の対象かどうかは、対象・保護範囲チェッカーで確認できます。
4. チェックリスト
- □ 契約書・発注メールに、報酬の額と支払期日が書かれている(第3条)
- □ 支払期日が、受領日(納品日・提供を受けた日)から60日以内になっている(第4条)
- □ 契約期間(更新を含む)が1か月以上か、6か月以上かを数えた
- □ 1か月以上なら、減額・やり直し・購入の要請などの記録を残している(第5条)
- □ 6か月以上なら、解除・更新しない旨の連絡が30日前までに来ているか確認する(第16条)
- □ 日数の数え方に迷うときは支払期日・遅延チェッカーで確かめた
条ごとの入口はフリーランス法の条文ガイド、期間による違いの詳細は契約期間でルールが変わる?も参考になります。
5. 入金が60日先になる働き方への備え
支払期日が受領日から最大60日先になる場合、入金までの手元資金が課題になります。請求書を早めに現金化できる仕組みとして、たとえばフリーランスの請求書を即日払い【FREENANCE】(広告)
があります。対象になる請求書や手数料、利用条件はサービスごとに異なるため、公式ページで必ず確認してください。
まとめ
数字は「直ちに(明示)」「60日(支払期日)」「1か月以上(禁止行為)」「6か月以上(配慮・予告)」「30日前(予告)」の5つに分けると整理できます。まず自分の契約の長さを数え、使える条文を表で確認してください。
出典(一次資料)
- 特定受託事業者に係る取引の適正化等に関する法律(令和5年法律第25号)第3条(取引条件の明示)、第4条(報酬の支払期日等) — e-Gov 法令検索
- 同法第5条(禁止行為)、特定受託事業者に係る取引の適正化等に関する法律施行令(令和6年政令第200号)第1条 — e-Gov 法令検索(施行令)
- 同法第13条(継続的業務委託の定義、育児介護等への配慮)、第16条(解除等の予告)、施行令第3条 — e-Gov 法令検索
本文の説明は上記の条文を分かりやすく言い換えたものです。制度は改正されることがあるため、最終的な判断は原文をご確認ください(参照日: 2026-09-25)。契約期間別の表は条文の要約にもとづく目安で、公的機関の定めた表ではありません。