青色申告の特別控除には10万円・55万円・65万円の3段階があります。同じ売上・経費でも、どの控除を受けられるかで事業所得の金額が変わります。この記事では、仮の数字で3パターンを並べて、差がどこから生まれるのかを確認します。
1. 原文の確認:控除額と要件
- 不動産所得・事業所得・山林所得がある人は、税務署長の承認を受ければ青色申告ができます(所得税法第143条)[1]。
- 国税庁の案内では、55万円は正規の簿記(複式簿記)で記帳し、貸借対照表・損益計算書を添付して期限内に申告する場合、65万円はその要件に加えて仕訳帳・総勘定元帳の電子帳簿保存、またはe-Taxでの申告を行う場合、10万円はそれ以外の青色申告者、とされています[2]。
- 確定申告書の提出期間は、翌年2月16日から3月15日までです[3]。
上は条文・公式ページの要約です。細かな要件(提出期限の例外など)は年分ごとに確認してください。
2. 平易な言い換え:控除は「所得から引ける金額」
青色申告特別控除は、売上から経費を引いた金額から、さらに差し引ける金額のことです。引ける額が大きいほど、事業所得は小さくなります。どの額を使えるかは、帳簿のつけ方と申告方法で決まります。
3. 計算例:売上500万円・経費150万円の場合(仮の数字)
数字は説明用の仮のものです。ここでは「売上−経費−青色申告特別控除」だけを見ます。ほかの所得控除や税額の計算は含みません。
| 10万円控除 | 55万円控除 | 65万円控除 | |
|---|---|---|---|
| 売上 | 500万円 | 500万円 | 500万円 |
| 経費 | 150万円 | 150万円 | 150万円 |
| 控除前の金額 | 350万円 | 350万円 | 350万円 |
| 青色申告特別控除 | 10万円 | 55万円 | 65万円 |
| 事業所得の目安 | 340万円 | 295万円 | 285万円 |
- 10万円と55万円の差は45万円、55万円と65万円の差は10万円です。
- 差の大きさは、複式簿記で記帳し貸借対照表・損益計算書を作れるかどうかに左右されます[2]。
- 実際の税額は、ここから所得控除などを引いた金額に税率をかけて決まります。この記事では計算しません。
4. チェックリスト:どの控除をめざすか
- □ 青色申告の承認申請書を期限内に出した(期限は承認申請書の出し忘れの記事で確認)
- □ 複式簿記で記帳しているか、会計ソフトで対応できる見込みがある
- □ 貸借対照表・損益計算書を作成して申告書に添付する予定がある
- □ 65万円をめざすなら、電子帳簿保存かe-Taxのどちらで要件を満たすか決めた(準備の流れ)
- □ 自分の場合の控除額は控除判定チェッカーで確認した
5. 記帳と書類づくりは会計ソフトで
55万円・65万円の控除では、貸借対照表・損益計算書の作成が前提になります。自動化でカンタンに書類作成 マネーフォワード クラウド確定申告(広告)
のようなクラウド会計ソフトは、記帳や決算書類の作成を支援するものです。対応する機能や料金プラン、無料の範囲は変わることがあるため、利用前に公式ページで最新の内容を確認してください。簿記の知識に不安があるときは複式簿記と青色申告の記事もどうぞ。
まとめ
同じ売上・経費でも、青色申告特別控除が10万円か55万円か65万円かで、事業所得は最大55万円変わります。控除額は帳簿のつけ方と申告方法で決まるため、開業初年度から複式簿記での記帳と申告方法を決めておくと選択肢が広がります。個別の判断は税務署や税理士にご確認ください。
出典(一次資料)
- 所得税法(昭和40年法律第33号)第143条 — e-Gov 法令検索
- 国税庁「No.2072 青色申告特別控除」 — 国税庁
- 国税庁「No.2020 確定申告」 — 国税庁
本文の説明は上記の条文・公的機関の案内を分かりやすく言い換えたものです。制度は改正されることがあるため、最終的な判断は原文をご確認ください(参照日: 2026-09-25)。